●スパニッシュ・コネクション、ハイクラッド、B.S.Q.など数々のバンド、ユニットで活躍するギタリスト、伊藤芳輝。フラメンコにクラシック、更にはビートルズの弦楽アレンジまで、それぞれに特化された枠の中で、卓越した表現を魅せ続けてきた彼が、それらカテゴリーの垣根を全て取っ払い、自身の音楽表現をフラットな目線で見つめ直し、自由に再構築。現在進行形の、ギタリスト伊藤芳輝の世界を具現化させたと言えるアルバムが完成しました。 ●本作のために結成されたトリオは、ベースに、林正樹のジャズ・ピアノ・ユニット「宴」のメンバーである箭島裕治。パーカションに、同じく林正樹とのデュオ「アルカイック」や、葉加瀬太郎、高島ちさ子らのバックも務める仙道さおりという強力な布陣。 ●さらにゲストとして、日本のカリビアン・フルートの第一人者であり、近年ではアニメ・ゲーム音楽で絶大な人気を誇るコンポーザー、梶浦由記の手がける作品に多数参加するなど、幅広い層から支持を受ける、赤木りえが参加。 ●これら錚々たる面々が、それぞれに自由な発想とテクニックで極上のアンサンブルを構築していきます。 ●アルバムは、「何度もレコーディングした曲だが、今回がベストテイク」という『いとしくもせつなく』、以前から赤木りえのフルートを交えて演奏したかったという『伝説の風』、今回新たに書き下ろされた『密やかなあこがれ』、スパコネのライブでは定番、NHK人形劇、新・三銃士でおなじみ『アトスのファルーカ』と伊藤の自作曲で幕を開けます。そして、フランシスコ・タレガの傑作『アラビア風綺想曲』では予想を超える箭島のベース・アレンジが光り、ハイクラッドでも取り上げたバッハ作「2つのバイオリンのためのコンチェルト」を、バイオリン無し(!?)、ギターとベースによるバイオリンの為のコンチェルトとして再構築。ブラジルのショーロやジャズを思わせるテイストに驚かされます。この大胆なアレンジの2曲に挟まれたスパコネの名曲『あらばしりとひやおろし』もこのメンバーならではの編曲で、この曲のまた違った熟成を楽しめます。そしてラストに、アルバム表題曲ともなっているトッド・ラングレンの名曲『Love Is The Answer』。2016年のリンゴ・スター来日公演の際、同行していたトッド・ラングレンがこの曲を歌う姿に激しく感動したという伊藤が、どうしてもこの曲を自ら演奏してCDに収めたかったと言う通り、強い思いの籠った演奏ながら、どっしりとした落ち着きも感じさせる雰囲気からトリオの充実ぶりを堪能できます。 ●「アルバムを通して期せずして“演歌”な雰囲気が出てしまっているのが、日本人として誇らしく、非常に嬉しい」と語る伊藤の言葉のままに、本作には、この時代、この国、この4人でしか創り得ない空気が確実に流れており、多彩なキャリアを背景に持つ伊藤芳輝の集大成として、同時に新たな表現の始まりとして見事に結実した作品に仕上がっています。
曲目表:
1. いとしくもせつなく(Y.Ito) 2. 伝説の風 (Y.Ito) 3. The Impossible Secret Longing 密やかなあこがれ (Y.Ito) 4. Farruca de Athos アトスのファルーカ (Y.Ito) 5. Capricho Arabe アラビア風綺想曲 (F.Tarrega) 6. あらばしりとひやおろし(Y.Ito) 7. Concierto A Due Violine ドッペル・コンチェルト (J.S.Bach) 8. Love Is The Answer ラヴ・イズ・ジ・アンサー (T.Rundgren)
メンバー:
Yoshiteru Ito : Guitar Yuji Yjima : 6strings Electric Bass Saoli Sendo : Percussion (Guest Musician) Rie Akagi : Flute