幻想感漂う美しいポリフォニー・コーラスやその特異な節回しで世界中の人々を魅了しているブルガリアの伝統的な女声合唱:ブルガリアン・ヴォイス。ポリフォニー・ヴォーカルの最高峰とも謳われている〈ザ・ブルガリアン・ヴォイセス・アンジェリーテ〉やスラヴ人の伝承歌を独自アレンジで聴かせる〈ペルニカ・トリオ〉など、古き良き伝統を継承すると共に個々の独自性もきらりと光る魅力的なヴォーカル・グループが、現在のブルガリア・ミュージック・シーンにおいても数多く誕生しています。そんな魅力あふれる同シーンの中から、今回は1995年結成のヴェテラン女性4和声グループ:エヴァ・クァルテットの新作をご紹介します。 活動26年の歴史を持つ同グループは、伝統的なブルガリア民謡の旋律にモダンなアレンジを施し国際的な知名度を得た名門:ブルガリア国立放送合唱団(Le Mystère des voix bulgares)出身者たちによって結成。ブルガリア各地の本格的な伝統民謡/古い讃美歌などをレパートリの中心とする一方で、ジャズやクラシック・シーンの作曲家たちとの共演にも意欲的な姿勢を見せてきました。2012年リリースの前作“The Arch”では、エクスペリメンタル・ポップや北欧フォークトロニカ作品などでもお馴染みのフランス人気鋭作曲家エクトル・ザズーとコラボレート。アンビエントやアヴァンギャルド・ジャズ寄りのアプローチが見られたこの作品では、フィーチャリング・アーティストとしてロバート・フリップやジャズ・ギタリストのビル・フリゼール、そして坂本龍一などをはじめとした錚々たる面々が顔をそろえるなどし、非常に大きな話題を呼びました。 その前作から約9年。まさに待望の新作と呼ぶにふさわしい今回の作品では、母親の愛情や心温まる結婚、鳩と少女の会話などを歌った歴史ある伝統民謡に加え、ブルガリアの現代作曲家:ステファン・ドラゴスティノフ(1948- )やイヴァン・スパソフ(1934-1996)による合唱作品もピックアップ。前作では他ジャンルのアーティストたちとのコラボレーションによる斬新なアンサンブル・サウンドや意匠の凝らされたモダンなアレンジメントなどがメイン・テーマとなっていましたが、今回はア・カペラ・ナンバーを中心に構成し、〈歌本来に宿る、時代を超越した美〉を追求しています。冒頭一曲目、「ミンカは朝早く起き出し、庭を掃除し水を運び込んだ」という歌詞から始まる伝統民謡からスタート。続いてスタッカートの効いたユニークなコーラス・ワークが印象に強く残るA、プリミティヴなドラムの音と独特な節回しが美しく絡み合うBなど、序盤から彼女たちの本領が遺憾なく発揮されています。また、前作で坂本龍一(ピアノ)、エクトル・ザズー(エレクトロニック)他と共演し、アンビエント的な音世界を展開させたイヴァン・スパソフの編曲による伝承歌Gを、本作ではよりプリミティヴな形で再演するなど、まさに聴きどころ満載。ポリフォニー・コーラス・ファンの方、必聴の一枚です!
●日本語解説/帯付き
(メーカーインフォより)
曲目表:
1. Minka E Rano Stanala 2. Yova 3. Barem Da E Moma 4. Pomakini 5. Baba Luk Posela 6. Velko Si Rada Zaljubi 7. Nedelino 8. Balno Li Ti E Sinjo Ljo 9. Razvivay, Dobro, Povivay 10. Yana Ovchar Lugala 11. eme Dreme 12. Bez Dumi 13. Kadona 14. Gospodi, Pomiluy
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