先に最新作『ホワット・イズ・ユア・ブレイキング・ポイント?』(AJSI-9053)を、解説無しのサンビーニャ・インポート盤として紹介したナイジェリアの大所帯バンド、バントゥ(BANTU)。その彼らの過去2作(2017年&2020年)もまとめて取り扱えることになりました。 70年代より高い人気を誇るアフロビートやジュジュといったジャンルで知られるナイジェリア音楽のシーンですが、そこにはまだまだ日本では知られていない強者がたくさんいます。今回紹介するナイジェリア出身の13人組バンド“バントゥ”もそのひとつで、すでに20年以上も前から活躍をみせるベテラン・バンドです。そんな彼らの近作は、リーダーのアデ・バントゥ自身のレーベルSOLEDAD PRODUCTIONSからリリースされており、この度それらを解説付きのライス・レコードとして紹介することにいたしました。 ドイツ系ナイジェリア人のリード・シンガーのアデ・バントゥ(Ade Bantu)を中心に1996年に結成されたバントゥ(BANTU)。グループ名はそのリーダーの名前に由来するのかと思いきや、Brotherhood Alliance Navigating Towards Unity(団結に向けて進む同胞同盟)の頭文字を取って名付けられていて、これは南アフリカの反アパルトヘイト活動家スティーヴ・ビコ(1946-77)に敬意を表して付けられたものだそうです。そんな彼らはナイジェリアを代表する音楽家のふたり、“ジュジュの王様”キング・サニー・アデと、“アフロビートの創始者”フェラ・クティが残したナイジェリア音楽の遺産を、現代のアフリカのサウンドトラックへと変えてきました。そしてナイジェリアのフジのシンガー Adewale Ayuba をフィーチャーした2005年の3rd作“Fuji Satisfaction”では、アフリカのグラミー賞であるKora Awardsにおいて「Best Group West Africa」「Best Group Africa」を受賞、大きな注目を浴びるようになりました。 2023年の最新作が、2017年からはじまったSOLEDAD3部作の完結編でもある『ホワット・イズ・ユア・ブレイキング・ポイント?』です。サウンドの核はもちろんアフロビートで、そこにファンク/ソウル、ジャズ、ハイライフ、ヒップホップ、ヨルバ音楽などが要素として加わった彼らのオリジナリティは、ここで完成の域に達しました。アデ以外にも複数のヴォーカリストが登場し、祖国ナイジェリアおよび世界中の社会・政治的な不満を込めたメッセージを、ファンキーな歌声で伝えてくれます。そしてゲストにはU.S.出身の女性ラッパー、アクア・ナルが参加している点にも注目が集まりました。 現代を代表するアフロビート・バンドのセクシーなグルーヴがたっぷりと味わえる3作品。アフリカ音楽〜ブラック・ミュージックを愛する全ての方にお勧めできる素晴らしい内容です。是非3枚併せてお求めください。
●日本語解説/帯付き
(以上、メーカー・インフォ)
曲目表:
1. WAYO AND DIVISION 2. JAPA JAPA 3. TEN TIMES BACKWARDS 4. WORM & GRASS 5. BORROW BORROW 6. AFRICA FOR SALE 7. NA ME OWN MY BODY feat. Akua Naru 8. BREAKING POINT 9. YOUR SILENCE 10. WE NO GO GREE