リビアの南、一部サハラ砂漠を抱える中央アフリカの内陸の国チャド出身のシンガー・ソングライター、ムニーラ・ミチャーラの2作目となる2011年最新作です。2007年のRFI(Radio France Internationa)では、新人賞(審査委員長サリフ・ケイタ)に輝き一躍脚光を浴びました。チャドの音楽自体あまり北側の国々には伝わっていませんでしたが、特に女性歌手の情報は皆無に等しかったと思います。そんな中登場したムニーラ・ミチャーラの音楽は、サハラの半乾燥地帯サヘル出身ということでリズム感やコブシなどに砂漠のブルース系と同等のものを感じさせますが、地理的な要因なのかグリオやルンバ・コンゴレーズ的な感覚も同居した独特なものです。本作ではプロデュースに、デデ・サンプリ、ラルフ・タマール、ディワン=ベレール・グナワなどを手掛けたカメル・ゼクリが担当。適度にポップなサウンドを得て、ムニーラ・ミチャーラも前作より伸びやかな歌を聞かせてくれます。 今後も期待を持てそうな、アフリカの女性歌手です。