●デレブ・ジ・アンバサダーを率いるンデレブ・ダッサレイは、エチオピア北部ゴンダールのアズマリ(伝統楽師)の家系に生まれ、幼いときからマシンコ(エチオピアの伝統楽器=一弦ヴァイオリン)を弾き語りで一家の生活を支えていたと言います。 ●18歳でオーストラリアに移住後も、もちろん音楽活動は続け、エチオピアで2枚のアルバムをリリース。2003年のシングル曲『ウォロ(Wollo)』がエチオピアのヒット・チャートで1位を獲得、一躍スターになりました。 ●2005年からは、オーストラリアでも活動を開始。在豪ミュージシャンやオーストラリア・ミュージシャンらとエチオ・ファンクを志向するバンドを組み、WOMAD(ウォーマッド)や国内外のワールド・ミュージック系のフェスティヴァルに参加し活躍。その後、デレブ・ジ・アンバサダーを結成。2013年には、東京JAZZ、いわてJAZZ出演のため来日。2017には、単独でのジャパン・ツアーを成功させています。 ●2010年に発表したアルバム『デレブ・ジ・アンバサダー(Dereb The Ambassador)』は、エチオ・ジャズ黄金時代に活躍したレジェンドたち、マハムード・アハメッド、アレマイユ・エシェテ、テラフン・ゲセセらの名曲を独自のアレンジでカヴァーし、非常に高い評価を得、日本盤も発売されました。 ●7年ぶりとなる本2018年新作も、前作の路線を継承しつつさらなる進化(深化)を聴かせてくれています。エチオ・ジャズに独特なメロディとファンキーなリズム、そしてデレブのソウルフルなヴァーカル。まさにエチオ・ソウルと呼ぶにふさわしいサウンドが繰り広げられています。 ●楽曲も@〜Dがデレブの自作曲、E〜Gは、エチオピアのポピュラー音楽シーンの巨匠たち、メスフィン・アベベ、セイフ・ヨハネス、ギルマ・バイェイネの1970年代前半から1980年代にかけての名曲のカバーという、バランスの取れたもので、エチオピア伝統音楽を正しく理解する数少ないミュージシャンとして、伝統音楽と現在の音楽を繋ごうという意志が垣間見られる選曲です。ポスト・エチオ・ジャズ時代の一躍を担う未来のレジャンダリー・アーティストといっても過言ではありません。 ●なお、10月19日から「Dereb the Ambassador Japan Tour」が始まります。東京都内5箇所でライヴを披露。他に『Peter Barakan's LIVE MAGIC!』への出演も決定しています。