Yan et les Abeillesという人気仏ロック・バンドでも活躍したFRED ROLLATを中心とするトリオ・ユニット、カルパット。マヌーシュ・スウィングを母体にネグレス・ヴェルトやマノ・ネグラが築いた仏ミクスチャー・ロックの路線を辿ってきたバンドの2019年作です。 タイトルにチリの海港都市バルパライソの名を冠するだけあって、「コーヒー・ルンバ」を脱臼させたような1曲目をはじめ、クンビアやマリアッチなど、ラテン音楽モチーフを随所に散りばめた音作り。レゲエ要素なども交え、ところどころにスペイン語がでてきたりするのですが、ユルっとしたミックス感というか、大道芸的ブリコラージュ感というか、ヒッピー系というか、詰め込みすぎず、いい感じに肩の力の抜けたサウンドに仕上げています。一方で、レパートリーはいずれもオリジナルで、サポート・メンバーにアコーディオンやトランペット、マノ・ネグラでも活躍したトロンボーンのクロポル他、多彩な面々が参加。