南米の国チリのフォルクローレ歌手として世界的に知られた女性歌手ビオレータ・パラ(1917−67)は、自身の歌をもって社会変革を目指したヌエバ・カンシオン(新しい歌)運動の先駆者としても広く認知されてきました。そんな彼女を紹介したCD作品として日本でリリースされたのが、かつてオーマガトキから1991年に発表された『最後の、そして永遠の作品集(原題:Las últimas composiciones)』というアルバムでしたが、いまでは廃盤となってしまい中古盤を探す以外ありませんでしたが、この度フランスのMLPから30曲入りベストがリリースされましたので、サンビーニャ・インポートとしてご紹介することにいたしました。 チリ中部のチジャン近郊で生まれたビオレータ・パラは若くして父を失い、姉と共に安酒場で歌をうたって生計を立てるという苦しい生活を送りました。その後サンティアーゴに移り、プロの歌手としてレコード・デビューを飾った彼女は、50年代には数多くの海外公演をこなすなど、チリを代表するフォルクローレの歌手として知られるようになり、たくさんの名曲を生み出してゆきました。またそれと平行してチリ各地を回って知られざる民謡を発掘し紹介するというヌエバ・カンシオン運動を提唱、伝統回帰への方向性も模索しました。しかしそうした中、67年にピストル自殺を図り49歳という若さでこの世を去ってしまったというセンセーショナルな最期を遂げました。 本作には彼女の晩年である66年に録音した『最後の、そして永遠の作品集』の収録曲は全て入っていて、「人生よありがとう」「17歳に戻れたら」「天使のリン」といった名曲は網羅。さらに64年作“Chants et danses du chili”の収録曲や、70年代になってからリリースされた編集盤などからピックアップされた曲などで構成されています。伴奏はビオレータ自身によるギターやチャランゴ(アンデスの小型ギター)が中心のシンプルなもので、時折プリミティヴなパーカッションやフィドルがフィーチャーされますが、それらは彼女の子供であるイサベル・パラとアンヘル・パラが担当。さらに数曲でウルグァイの男性歌手アルベルト・サピカンがデュエットで参加しています。 南米のフォルクローレの重要歌手の貴重なベスト盤だけに、是非とも注目してください。
曲目表:
1. Gracias a la vida 2. Violeta ausente 3. Volver a los 17 4. El primer dia el senior 5. La cueca de los poetas 6. Cuecas punteadas 7. Mazurquica modernica 8. En el portal de belen 9. El albertio 10. Entre aquel apostolado 11. Cantores que reflexionan 12. Hay una ciudad muy lejos 13. Tres polkas 14. Pupila de aguila 15. Viva dios viva la virgen 16. Run run se fua pa'l norte 17. Ojos negros matadores 18. Maldigo del alto cielo 19. Viva la luz de don creador 20. Rin del angelito 21. Dicen que el aji maduro 22. Una copla me han cantado 23. Los paires saven sentir 24. Donde estas prenda 25. El guillatun 26. Arriba de aquel arbol 27. Pastelero a tus pasteles 28. Miren como corre el agua 29. De cuerpo entero 30. Aqui se acaba esa cueca
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