スペイン・カタルーニャ地方出身の音楽家母娘:エリサベト・ローマとリタ・パイエス。母のエリサベトは音楽教師であると同時にクラシック音楽をバックグラウンドにもつプロ・ギタリストであり、ハイセンスな演奏技術と表現力を持つ優秀なソリストとしても活躍してきた人物です。また、クラシックのみならず、ラテン音楽、特にアントニオ・カルロス・ジョビン、シコ・ブアルキ、エリス・レジーナなどをはじめとするブラジル人アーティストたちの筋金入りのファンでもあり、自身の演奏におけるインスピレーションの源であると公言。本場ブラジルのアーティストも唸るような素晴らしいボッサ・センスの持ち主でもあります。 一方、娘のリタは現在21歳。音楽一家に生まれた彼女は、ピアノ、そしてトロンボーンをメイン・インストゥルメントとして自身の音楽の道を歩み始めました。やがて7歳から20歳までの青少年で構成されたバルセロナ・ビッグジャズ・バンドの名門:サン・アンドレウ・ジャズ・バンドに加入し、複数のアルバム制作も経験。2015年にはソロ・アーティストとなり、ジャズ・ベーシスト:ジョアン・チャモロとのデュオ・アルバム“Joan Chamorro Presenta Rita Payes”、“Lua Amarela”(2016)を続けてリリースしています。 前作にあたる19年リリースのアルバム’Imagina’で、両者は初のデュオを実現。ボサ・ノーヴァの響きにぴったりなリタの素朴で涼やかな歌声とその柔らかなトローンボーン演奏、エリサベトによる美しすぎるギター演奏の織りなすハーモニーは絶妙この上ない上に、一枚を通じて母娘ならではの親密な空気感も漂う魅力的な仕上がりとなりました。伝統的なカタロニアの子守唄からボサ・ノーヴァの名曲、ファド、ボレーロに至るまで、彼女たちのお気に入りの音楽を全て盛り込んだこの作品は大絶賛を受け、以降はバルセロナ・ジャズ・フェスティバルなどをはじめとする大型フェスティヴァルにも出場。フランス、イギリス、イタリア、ハンガリー、モロッコ、スイスなどスペイン国外にもその活躍の場を広げています。 彼女たちのデュオ・アルバム第二弾となった本作では、リタの兄でトランペット奏者のエウダルド・パイエス、ギタリスト/SSWのポル・バトル(エレクトリック・ギターを担当)などの参加も手伝い、なんと前作にはみられなかったアヴァンギャルド性も所々で表出。リタの瑞々しい作曲センスが光るボサ・ノーヴァ・ナンバー①を筆頭に、バンドリンの天才奏者ジャコー・ド・バンドリンの名曲‘Doce de Côco’の軽やかなカヴァー②や哀感あふれるロシアン・ジプシー風ナンバー③、エリサベトのギターが奏でるハバネーラのリズムに乗せて、ホーンがジャジーな旋律を奏でたかと思いきや、やがてボッサへと変化するユニークな⑧など、彼女たちらしいヨーロッパ+ラテン+ジャズ風味が優しく融合した美しいナンバーが網羅されていることはもとより、エレクトリック・ギターがフィーチャーされたダークで幻想的な⑤、彼女たちのテクニカルな魅力が前面に打ち出された⑩なども新たなテイストとして加わり、前作にも増してヴァラエティ豊かな内容となっています。 プロデューサーにベネスエーラ出身のラテン・グラミー賞受賞者フアン・ロドリゲス・ベルビン、そしてマスタリングにはトッキーニョ、カエターノ・ヴェローゾ、ジルベルト・ジル、そしてオマーラ・ポルトゥオンド作品も手掛けてきたカルロス・フレイタスを迎えた本作。ジャズ~ラテン音楽、ヨーロッパ系音楽ファンの方も夢中になれること間違いなしの素晴らしい一枚です!
●日本語解説/帯付き
(メーカーインフォより)
曲目表:
1. Nunca vas a comprender 2. Doce de coco 3. Quien lo diría 4. El Marabino 5. Loca Mente 6. Jorge do fusa 7. Eu desespero 8. Un tros d'ahir 9. Caricias / Esta montaña de enfrente 10. No digo que no (vaca y pollo) 11. La Rosa
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