サンビーニャ・インポートとしてリリースされる『ザ・ロスト・マエストロス・コレクション』(FMSI-6057)と同じDEVIATION RECORDSが制作に関わった注目の復刻作品がこちら。かつてバンバラ王国の首都であったマリのセグー出身で、公営のバンドとして活躍したシュペール・ビトン・ド・セグーの貴重音源を中心とした作品が、アナログに続きCDヴァージョンでも登場。その重要性を考慮し、ライス・レコードとして国内配給することにいたしました。 マリ共和国西部に暮らすバンバラ人は200万人弱という人口を誇るマリ最大の部族として知られていますが、そのバンバラ人を代表するグループとして古くから知られてきたのがこちらのシュペール・ビトン・ド・セグーでした。マリンケを代表するグループのレイル・バンドのより古い1960年にセグーにて結成、当初はオルケストル・レジオナル・ド・セグーの名前でスタートしました。そしてトランペット奏者のアマドゥ・バを中心に精力的に活動を続けた彼らは、政府主催のコンペティションで幾度も優勝を重ね、1976年には州立バンドからマリにおける最初の国立バンドへと昇格。その翌年にはLe Super Biton National de Ségouと“ナショナル”の文字を加えた名義でアルバムをリリースし、その時点で名実ともにマリを代表するグループになりました。その後も活躍は続き、1986年には彼らにとって最高の作品との呼び声も高い『AFRO JAZZ DU MALI』を発表しました。 そんな彼らは200曲以上のレパートリを持っていたと伝えられていますが、その中から1970年から1980年までの間に録音され当時LPやカセットとしてリリースされていたという音源を、生存する3名のメンバー(Modibo Diarra、Mama Sissoko、Aboubacar Kissa)によって選曲され丹念にリマスターした上でリイシューしたのが本作です。ここで聴けるのは、これまで発表されてきた曲と同様、伝統的なバンバラ音楽を踏襲しつつ、エレキギターや様々な管楽器などを加え逞しく現代化。アフロ・キューバンやルンバ・コンゴレーズなどからの音楽的影響も絡めながら独自のバンバラ大衆音楽の創造を目指していたシュペール・ビトンの強い意気込みや向上心が伝わってくる、実に素晴らしい内容です。 少なくとも2021年において最大級に貴重かつ重要なアフリカ音楽の復刻。これは大きく注目してください!