現在ポルトガルにおいてもっとも重要なシンガー・ソングライターのひとりに目されているのが、こちらのルイーザ・ソブラルです。コロナが蔓延する直前の2020年3月に初来日し、1日だけのライヴ・パフィーマンスを東京・代官山で行った彼女は、その後第3児出産のため活動休止。そして昨年には、手作り感溢れるミニ・アルバム『カモミラ』(ライス LSR-23300)を発表し、本格的に音楽活動を再開しました。そして今回、約4年ぶりとなるフル・アルバムが完成、日本ではライス・レコードが配給することになりました。 1987年9月18日にリスボンで生まれたルイーザは、2003年にポルトガルのテレビ局のオーディション番組に出演して好成績をあげ、その後アメリカのバークリー音楽院へ留学。そこで作曲のノウハウを会得し、帰国した2011年に“Cherry on My Cake”でソロ・デビュー、その後現在までに5枚のフル・アルバムを発表してきました。そんな彼女は、そのジャジーな音楽性から「ポルトガルのノラ・ジョーンズ」などと呼ばれるようなり、近年ではポルトガル語の響きを活かした柔らかな歌唱をアクースティック・サウンドに乗せて歌うスタイルにシフトしてきました。また彼女の実弟であるサルヴァドール・ソブラルは、欧州で大変歴史のあるユーロヴィジョン・ソング・コンテストの2017年大会のポルトガル代表に選ばれ、‘Amar pelos dois’を歌って見事本戦で優勝を果たしましたが、実はこの曲はルイーザが作詞作曲/プロデュースしたものでした。その活躍が認められたソブラル姉弟は、マルセーロ・ポルトガル大統領から勲章を授与されるなど、国を挙げて祝福されました。 そして満を持してのフル・アルバムとなった本作は、ラテン・グラミーの受賞者としても知られるブラジル人マルチ楽器奏者ト・ブランジレオーニ(Tó Brandileone)がプロデュースを担当し、彼の拠点であるサンパウロと、ルイーザの拠点のリスボンの両方でレコーディングが行われました。収録されている全てはルイーザの自作曲で、これまでの作品の中と比べて、よりポップな美学を追求しているとのこと。日常生活を甘美で情熱的に見つめるポルトガルの歌詞に、ポジティヴとアンニュイが同居したような彼女ならではのメロディーラインを組み合わせ、それをジャズやブラジル音楽を素養に持つブランジレオーニが、アクースティック中心の上質なアレンジで美しくまとめてくれました。このところビート感の弱い作品をメインに発表してきたルイーザですが、ここではブラジル音楽っぽいパーカッションやドラムズもフィーチャーされており、これまで以上に多彩なサウンドが楽しめる内容に仕上がっています。さらに日本でも知名度の高いアントニオ・ロウレイロ(ドラムズ)、マリア・ベラル(クラリネット)、そしてブランジレオーニもヴォーカルや鍵盤楽器などで参加しています。 なお、今回はルイーザとも親交のある音楽ライターの山口詩織さんが解説を担当。本作の内容をより詳しく紹介してくれます。 間違い無く今年最高のポルトガル・ポップ作品のひとつ!是非期待してください。
●日本語解説/帯付き
(以上、メーカー・インフォ)
曲目表:
1. Quero Falar De Amor 2. Gosto De Ti 3. Não Foste Tu 4. Festa Antecipada 5. Amo Como Eu Sei 6. O Nosso Amor É 7. Há Guerra 8. Maria Feliz 9. As Mães De Hoje Em Dia 10. O Quadro Que Pintei 11. Serei Sempre Uma Mulher
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