フランスの中のケルト文化圏として有名なブルターニュ地方の音楽を研究するトラッド・フォーク歌手エリック・マルシャンが率いるアコースティック・クロスオーバー・バンド『KREIZ BREIZH AKADEMI』の2枚目。ブルターニュとバルカン、東欧、中近東の音楽を自然体で結びつけ豊饒なサウンドを追究してきたアーティストの指揮によるこのプロジェクトの音楽的ふところの深さは計り知れません。ビックバンの後の惑星における生命の誕生のような、「何かが始まりそうな」空気を漂わせる1曲目から中近東〜アラブアンダルース風味色濃い楽曲を挟みつつ、アルジェリア、イラク、イスラエル、ギリシャなどのミュージシャンに支えられた一筋縄ではいかない、ニュー・トラッド・サウンドを創造しています。ウード、ラウー、ヴァイオリン、マンドリン等の弦楽器のアンサンブルを中心にケルティック・ハープ、フルートなどが色彩を与えていきます。ちなみにタイトルのIZHPENN12とは「12音階を越えて」という意味だそうで、リーダーのエリック・マルシャンの野心的な姿勢を臭わせています。まるでヨーロッパの広大で荘厳な自然風景と生命の神秘を映し出す映画のサントラのような美しい作品です。
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